いまだに慣れないよ、帰宅してカムイの迎えのない静かな玄関は…
ドアを開ける時、無意識にカムイが顔を覗かせると思い込んじゃってんの。
脱走対策に扉を大きく開けないようにしている自分に気づいて、「あ、その必要なかったんだ…」って。
三和土にはいなくても、「ただいま」と声をかければ、隣の寝室からのこのこ出てきそうな幻影が見えちゃう。
17年間の毎日の習慣だったからね。体と脳裏に染みついている。
想い出の詰まった家だけど、だからこそ引っ越したくもなってくる今日この頃。

さて、今日も想い出の続きを綴ろうか。
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グアムから帰宅後、ついに未来のカムイとご対面の日がやってきた。
はじめて訪れるブリーダー宅は横浜の戸塚というところ。行ったことはないけど、戸塚ヨットスクールのCMで名前は聞いたことがあった。
何にせよ我が家からはなかなかに遠い。そして、猫のブリーダー宅を訪問することなど初体験だったのでドキドキした。
しかし、玄関をまたいだ途端、異世界の様子にドキドキがワクワクに変わった。
猫カタログでしか見たことのなかったバーマンがリアルに眼前にいる世界。そして、リビングに足を踏み入れると子猫がわさわさ寄ってくる世界。
産まれて間もないであろう子猫たちが手付かず(売約なし)のまま自由気ままに動き回っていた。
この中から好きな子を選ぶ権利が俺にあるんだ!(ヤッター!!)
さて、バーマンの中でも、顔の中央が黒々としたタヌキのような顔のカラーを「シールポイント」といい、その黒い部分が淡い感じの、一般的なバーマンとは一線を画す(?)カラーを「ライラックポイント」という。
いわゆるバーマンらしいバーマン。これはこれで素敵だ私は猫カタログの写真でライラックポイントのバーマンに一目惚れしていたので、迎える子もライラックポイントと決めていた。
そして、ただでさえ少ない日本のバーマンブリーダーの中でも、ライラックポイントを扱っているブリーダーは、調べた限りではこの戸塚ヨットスクール…じゃなくてこの戸塚のバーマンブリーダーさんだけだった。
人懐こいという触れ込みだったバーマンの子猫は、その通りに初めて訪問した30男のそばに我先にと近づいてきた。警戒心0。他人のお宅で緊張気味に正座していた私の腿に前脚をかけてきたりする子猫もいた。
その中でも最も快活で人懐こい子が後のカムイだった。
「その子はライラック。うちではイケメンって呼んでいるのよ」とブリーダーさんに紹介される前から自分の中ではこの子が運命の子だと決めかけていたが、その言葉が決め手となった。
ただ、カムイと先を争うように30男のひざ元に寄ってきたシールポイントの子もいて、少しだけ心が揺れたことも覚えている。揺れたといっても、カムイとその子のどちらにするかではなく、カムイだけにするか2匹とも迎えるかどうかでだが。ブリーダーさんも「2匹連れていけばいいじゃない」なんてことを言ってきたからね。
ブリーダーさんとしては兄弟2匹の方が安心ということもあったろう。ただ、私は猫を迎えるなら1対1の付き合いをしたいと思っていた。
既にウサギを4匹も飼っていて更に猫まで2匹も加わったら大変という思いもあるにはあったが(実家の両親も怒るだろうし)、そういう問題とは別に、猫とは1対1で暮らしたいと思っていたのだ。
ブリーダーさんの勧めもあったので、少し迷う素振りを見せたが、内心では実は後のカムイ一択。
「やっぱりこの子(カムイ)だけにしておきます」と伝えて引き取りは後日。
後ろ髪を引かれる思いでその日はバーマン屋敷を後にしたのであった。この後も子猫を見に来る方がいるだろうが、そのイケメン君はもううちの子だからね、などと内心ほくそ笑んで(笑)

人気ブログランキング(5)に続く
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まだまだカムイの物語はつづく。
たのしみが復活したが、でも、ごゆるりとお願いします。
どんな風にmaruoさんのところに来たのか、
その辺を知りたかったので、読みごたえがあります!
- 2022/04/21(Thu) 21:01:09 |
- URL |
- カムイへの追憶のオマージュ #-
- [ 編集 ]
ほんとに偶然のきっかけでカムイ君に出会ったようでいて実際は会うべくして会ったんじゃないかと思っています。
1から読んで写真を見ていますが、レーさん、チャーリー、、懐かしさでいっぱいです。首が傾いていたのはグレさんだったかな。マルちゃんもいましたね。
横の欄にある過去記事の古い方を少しクリックして見ましたが、カムイ君のあどけない顔がいっぱいで、全然歳をとらないように見えたカムイ君も、やっぱり時を重ねていたんだなとしみじみ思います。
ゆっくり休みつつでいいので、続きを楽しみにしています。
- 2022/04/21(Thu) 23:20:52 |
- URL |
- 花まつり #-
- [ 編集 ]
>>花まつりさん
グレも斜頸になってしまったけど自力でだいぶ元の位置まで戻ったんですよ。一番最初に迎えたウサギで愛嬌のある可愛い奴でした。マルは一番先に逝っちゃいましたが、レーさんとお似合いの可愛い奴でした。
カムイのあどけない表情がだんだん変貌していくのは確かにそうなんですよね。でも、あどけない時よりも晩年の方が完成された凛々しさがあったかな、なんて親ばかですが思ったりもして。なんにせよ17年という時を重ねていたんですよね。こうして長い間、読者の方に愛され有り難い限りです。特に花まつりさんにはいつもコメントいただいてm(__)m
- 2022/04/25(Mon) 23:48:44 |
- URL |
- maruo #-
- [ 編集 ]